台風とGPS

2022年8月17日 カテゴリー:よもやまばなし

こんにちは。 蒸し暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
今年はお盆休みと台風(8号)の上陸が重なってしまい、私も休み中の予定を見直すことになり、日帰り旅行の予定をキャンセルすることになってしまいました。
キャンセルは非常に残念だったのですが、旅行中はザ・ゴルフウォッチA1-IIのGPSロガー機能を使用して移動軌跡を記録しようと考えていたので 台風(天候)によるGPSの精度への影響が気になり、簡単に調べてみました。

ザ・ゴルフウォッチA1-IIのGPSステータス画面
ザ・ゴルフウォッチA1-II GPSロガーモードのGPSステータス画面

国土地理院Webサイトの地殻変動情報と電子基準点の解析に関するQ&Aによると、夏季(7月~9月)には大気中の水蒸気の増加や樹木の繁茂による反射波の増加によりノイズが増加し、電子基準点の座標値のばらつきが他の季節よりも大きくなるようです。 台風の通り道となると雨雲(水蒸気)の大幅な増加があるので影響は特に大きく現れるようです。

電子基準点における座標変化グラフ
鹿児島県、長野県、岡山県、秋田県の電子基準点での座標変化グラフ(国土地理院Webサイトより引用)

上図を見ると、7月~9月の時期は座標値(特に高度)のばらつきが大きくなっていることがわかります。但し測位自体は行われており、衛星放送のように悪天候で信号を受信できなくなるほどの影響ではありません。

現在はこの座標値のばらつきを逆手に取り、電子基準点の座標値の変化から上空の水蒸気量を予測し、降雨の予測に応用するという「GPS気象学」の研究も進められているようです。
参考: 電子基準点で天気を予測する「GPS気象学」の可能性(内閣府・みちびきWebサイトより)

座標値のばらつきを補うのがみちびきの補強信号(L1S)ということになります。これはみちびきから送信される「衛星測位による誤差を減らすため、電離圏遅延や軌道、クロック等の誤差の軽減に活用できる情報(サブメータ級測位補強情報)」ですが、補強情報を送信するみちびきだけではなく、補強対象となる測位衛星(GPSまたはみちびき)が見えている必要があるという点に注意が必要です。
L1S補強信号は一般に利用されている測位信号であるL1C/A信号と同じ形式の電波ですので同じように水蒸気等の影響を受けますが、みちびきは日本上空の天頂付近を飛んでいるため影響は最小限にとどまるものと考えられます。

また、みちびきからは災害・危機管理通報サービス(災危通報サービス)として、台風だけでなく地震や津波・火山等の注意報や警報が4秒に1回配信されています。「ザ・ゴルフウォッチA1-II」、「ザ・ゴルフウォッチZEAL」はみちびきから現在位置付近の警報(緊急速報)を受信すると画面表示とアラーム音で通知を行います。ウェアラブル機器で災危通報の表示に対応しているのは現在この2機種だけです!

ザ・ゴルフウォッチA1-IIの警報表示機能

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