ゴルフ場では、今や多くの人がGPS距離計を腕につけてプレイしているのを見かけます。GPS距離計を使い始めたら、その便利さに「これ無しではプレイできない」との声をよく聞くようになりました。
GPSを使って正確な位置測定をするには、実際には誤差を除くための様々な対策が必要となります。みちびきがL1S信号で1m精度を実現するための誤差除去サービスを始めてからは、腕時計型のデバイスでも1mの精度が実現できるようになりました。
ゴルフ用GPSのパイオニア『グリーンオン』はゴルフ用GPS距離計の精度改善を最優先に取り組んでおり、世界で初めてウェアラブル機器(ザ・ゴルフウォッチ プレミアムII)へのL1Sの実用化を実現しました。その後は、すべての機器をL1S対応にしています。これらのグリーンオンの活動は、みちびきを運営する内閣府のHPで紹介されています。
初期のGPS 距離計は、誤差補正が不十分で時には10mを超える誤差が生じたため、「レーザー距離計の方が正確?との声を背景に、多くメーカーからレーザー距離計が発売されました。ゴルフ用レーザー距離計の主たる目的は、ピンまでの距離を直接測定することです。どのような原理で測定されるのでしょうか?
簡単に言えば、距離測定したい対象物にレーザービームを当て、その反射波を受信し、往復の時間を測ります。レーザーの速度(光の速度)にその時間の半分をかけた値が、対象物までの距離です。原理は簡単です。しかし、それを原理通り精度良く実現するのは、それほど簡単ではありません。
まず、レーザー光を対象物に当ててその反射波を受信しなければなりません。対象物がある程度の大きさの平面なら簡単ですが、ゴルフでは対象は丸い細いピンか動いている不定形のピンフラッグです。上手くレーザーを当てても、反射波は色々な方向に拡散し、レーザー距離計に戻ってくる反射波はごく一部になります。更に難しくしているのは、レーザービームの広がりです。小さな対象物の外にもビームが広がり、対象物でない物からの反射波も戻ってきます。また、レンズを通してその中心に目標物を捕らえても、レーザー光の中心とのズレもあります。
このような、レーザー距離測定を難しくしている要因も、100yd以下の短い距離では問題になりません。また、対象物が大きなハザードまでの距離測定も問題になりません。問題になるのは、パー4のパーオンのために、ピンまでの距離を知りたいような、測定距離が200y 近くかそれを超える場合です。
そう言うと、「販売されているレーザー距離計には、測定範囲800ydと書かれている」との指摘が聞こえてきそうです。通常、レーザー距離計で測定距離と言っているのは、想定する対象物として測りやすい道路標識程度の大きさのある平面です。細くて丸いピンや、不定のピンフラッグでは、上に述べた難しさが生じ、簡単ではなくなります。
レーザー距離計の多くのユーザーから、「数値は出ているがピンまでの距離か否か分からない」「距離の短いアプローチしか使えない」等の不満が聞かれます。そして、今回グリーンオンが作ったらどうなる?とのチャレンジで開発されたのが、グリーンオン『レーザーキャディー GL01』です。
グリーンオンGPSキャディーは正確で簡単・便利ですが、コース変更にデータが対応できていない場合や、2グリーンの1グリーン化等で大きなグリーンの場合、フロントやセンター位置までの距離情報では不十分な場合があります。グリーンオンGPSキャディーは、ピン位置登録ができますが、設定忘れもあります。
こんな時のためにも、GPSキャディーとレーザーキャディーの両方使いで万全にしたい。そんな思いで開発されたのが『レーザーキャディー GL01』です。
ピン/ピンフラッグまで200yd前後の距離から正確・簡単に測れるように、『レーザーキャディー GL01』では様々な工夫をしています。
『レーザーキャディー GL01』の画面表示では、黒色の文字を採用しています。赤色は屋内などの比較暗い所では大変きれいに見えますが、明るい太陽光の下では、そこに含まれる赤色波長のため、逆に色跳びが生じるためです。
『レーザーキャディー GL01』には光学的な手振れ補正機構は不要です。レーザー距離計は、画像として明瞭に見たり撮ったりするための道具ではなく、レーザーで距離を測る道具です。レーザー光を小さな目標に当てるため、手振れを活用します。
*距離単位は、ヤードまたはメートルから選択可能。トーナメントモードの場合は、緑のLEDが点灯して、周りからも認識できる。