GPSキャディー講座 – 5. GPS衛星システム(1) 衛星コンステレーション

  複数のGPS衛星からの距離を測定して現在位置の計算をすると説明しましたが、ここでは、GPS 衛星システムについて説明したいと思います。現在位置の計算には4個以上のGPS衛星からの距離情報が必要ですから、地球上のどこからでも常に4個以上のGPS衛星が見える必要があります。また、距離を計算するためには、その時のGPS衛星の位置を正しく知る必要があります。また、極めて正確な時計も必要です。これらの条件を満たす衛星システムはいろいろ考えられます。実現されているシステムでは、米国のGPS(Global Positioning System)、ロシアのグロナス(GLONASS)があります、EU(欧州連合)はガリレオ(Galileo)を計画しています。

  私たちが普段使っている米国のGPSは、高度20200kmの円軌道(周期12時間)で、軌道傾斜角55度の軌道面が60度おきに(昇交点経度が60度おき)にあります。各軌道面には4個GPS衛星が配置されますので合計24個の衛星システムで全地球を覆います。実際には、予備のための衛星もあり、稼働している衛星数は通常24個以上あります。

GPS衛星の軌道

  実際にグリーンオンで、その時、どのGPS衛星が使われているか興味深いですね。実は、グリーンオンのGPSステータス画面で表示されます。円の中心は天頂です。青色の円は捕捉している(位置計算に使用している)GPS衛星で円内の番号がGPS衛星番号を示しています。灰色の円は、衛星は見えていますが計算に使用していないGPS衛星です。GPSステータス画面を連続してご覧になれば、各衛星が移動していく様子も分かります。因みに、同じ画面に表示されている時刻はGPS衛星の時刻に基づくものですから極めて正確な時刻です。

グリーンオンプラスのGPSステータス画面