GPSキャディー講座 – はじめに

  GPSキャディーのユーザーからは、一度使うと、これ無しにゴルフをするのが不安になるとの嬉しい声を多く頂きます。GPSキャディーは確かに便利な道具です。しかし、万能ではありません。衛星からの電波を使っているために避けられない課題もあります。私は、35年前に世界初の衛星放送(BS)の開発に携わりましたが、当時は、放送は3秒途絶えると局長の首が飛ぶと言われていました。それ程、放送の継続性は重大な使命ということです。しかし、BSに使われる周波数は12GHz帯で、雨による減衰(電波が弱くなる)は避けられません。強い雨(雨雲)になるほど減衰は大きくなります。減衰があっても受信を維持できるようにするには、衛星の出力を強くするか、受信のアンテナを大きくする必要があります。衛星のコストが上がり、受信機も大きく高くなります。ユーザーはBS の仕組みには関心がなく、大雨で放送が途絶えるとクレームがきます。面白いことに、一般の人の放送システムの理解が進み、物理現象として雨が降ると受信状態が悪くなることが理解されると、クレームが少なくなり、受信機もより安い小型アンテナでも受け入れられるようになりました。放送衛星に上手に付き合えるようになったのです。

  GPSキャディーでも、GPSというシステムを理解して、GPSキャディーを上手に使いこなして頂きたく、この講座を始めることにしました。

  記述に当たっては、数式はできるだけ避け、厳密性よりは、GPSキャディーの仕組みが直感的に理解できるように心がけます。

  ユーザーの忌憚のない声を励みに進めたいと思いますので、宜しくお願いします。