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IEEEマイルストーン授賞式に出席しました

株式会社MASAの責任者の末永と申します。

皆さんはIEEEのマイルストーン賞を御存じですか。
IEEE(米国電気電子学会)が、電気・電子技術やその関連分野における歴史的業績に対して認定する賞で、認定されるためには、実用化以降25年以上にわたって世の中で高い評価を受けてきたという実績が要求されます。実用化してから25年という長期間の実績が必要なことがこの賞の特長です。1983年に制定され、2010年までに113件(日本は14件)が認定されています。日本では東海道新幹線(JR東海)、電子式卓上計算機(シャープ)、海外ではインターネット(米国)、IC集積回路(米国TI )、コンピュータENIAC(米国ペンシルバニア大)、電池(イタリア)等が受賞しています。

何とこの偉大な賞が、私が若い時代の情熱を費やしたプロジェクト、放送衛星2号a(1984年5月に世界で初めて実用の直接衛星放送を開始)に与えられました。11月18日にNHK技術センターで授賞式がありました。

放送衛星2号aIEEEマイルストーン授賞式の様子
↑放送衛星2号a                       ↑IEEEマイルストーン授賞式の様子

このプロジェクトはNHKを中心に当時の郵政省電波研究所、宇宙開発事業団、メーカの東芝の多くの人たちが関わっています。普段は過去のことに思いを馳せることは滅多に無いのですが、この日の受賞パーティでは、懐かしい多くの方にお会いし当時のことを楽しく思い起こしました。決して順調なプロジェクトではありませんでした。受賞したのは放送衛星2号ですが、その前の実験用中型放送衛星プロジェクトが土台となっています。私は、東芝に入社直後、この実験用中型放送衛星プロジェクトの立ち上げ時に参画して以来、放送衛星2b号のミッションが終了するまで15年以上関わってきました。実験用中型放送衛星プロジェクトの苦難道の後に、放送衛星2号が在ります。世の歴史は、畑を耕す人、種を植える人、苗を育てる人、実りを収穫する人、で作られると言います。スポットライトは実りの収穫に当たりますが、畑を耕した人たちの皺に本当の誇りを感じます。今回の授賞式でも、多くのこの諸先輩の誇り高き皺をみました。素晴らしいお顔です。日本には、この皺に敬意を払う良い風土があります。それを感じた秋晴れの午後でした。

授賞パーティでの記念撮影
授賞パーティでの記念撮影

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