今回はグリーンオンの修理を担当している私が、『グリーンオンの電池を長持ちさせる6つの方法』としまして、話をしていきたいと思います。
ジェット機・電車・車等に使用されている大型の電池や、パソコン・ヘッドホンステレオなどに使われている電池など、現代の生活には電池を欠かすことができません。電池と一言で言っても大変奥が深く、今回は『電池の種類』、『充電と放電』、そして『電池を長持ちさせる方法 』の3つに分けてわかりやすくを心掛けて説明します。
Ⅰ. 電池の種類
グリーンオンシリーズで使用されているのは二次電池と呼ばれるものです。二次電池とは放電、充電ができる所謂充電池と呼ばれるもので、ノートパソコンや携帯電話によく使われています。充電することにより何度も使用することができます。
一方、一次電池とは充電できないタイプです。
Ⅱ. 充電と放電について
充電と放電は充電池の寿命を決める重要な要素です。
A. 充電について
二次電池では一般に「充電電流」と「充電時間」が標準と急速のそれぞれ存在し、「最大充電電圧」も定められています。「最大充電電圧」を越えて充電しようとすると「過充電」となって電池が劣化したり最悪では破壊に至る危険性もあります。
B. 放電について
充電に「最大充電電圧」があるように、放電には「放電終止電圧」が定められています。一般に「放電終止電圧」はその電圧に至った時点でそれ以上放電してはいけない電圧であり、放電終止電圧を越えてさらに放電状態を続ければ「 過放電※1」となって電池劣化の原因となります。
※1. 「過放電」とは
“機器を作動させることができる電圧”以下まで過度に放電された状態のことです。
Ⅲ. 電池を長持ちさせる方法
A. 断続的に使用する
電池の寿命を長くするには、連続使用をせずに断続的に使用することです。その理由は電池内で生成される不要物質が消滅するまでに時間がかかり、断続的使用の場合、発生電圧の回復がうまく働くからです。
B. 保存、使用の温度に注意する
放電特性は使用している温度によって大幅に異なる結果になります。使用する際に、機器及び電池の使用温度を適切にすることにより使用時間を長くすることができます。
・ 常温保存
常温で保管される電池は、一般的に1年間で約3~5%自己放電します。
・ 低温保存
保管温度が-20℃以下になると電解質が凍りつき、電池として働かなくなります。あまりそんな人はいないかと思いますが、冷蔵庫に保管するのは取出した際に結露が発生し端子が錆びる場合がありお勧めできません。
・ 高温保存
保管温度が高くなるほど、自己放電量は多くなります。例えば、夏の車内に放置したままですと、過放電の恐れがありますのでご注意ください。
C. メモリー効果
電池の電圧が低下する現象のことです。バッテリーに蓄えられた電力を ※2完全に使い切らないまま繰り返して使用すると発生します。メモリー効果の原因は完全放電しないうちに充電してしまう、いわゆる継ぎ足し充電にあります。よって、面倒であってもバッテリーを完全に使い切ってから充電を開始し、満充電になるまで待てばメモリー効果は発生しにくくなります。
※2. バッテリーを完全に使い切るというのは機器がまったく反応しなくなる状態のことではありません。そのような状態は過放電と呼ばれ、バッテリーの寿命を短くする原因の一つです。テスターを使って電子的に判定しない限り、バッテリーが過放電かどうかを正確に判定することは難しいです。
よって、普通に使用していて電圧が低下し始めた頃が充電するタイミングであると言えます。
素材にニッカドまたはニッケル水素を使用した電池において、顕著にメモリー効果が起こります。リチウムイオンのように物理的にメモリー現象がありえない構造を持つバッテリーも存在し、グリーンオンの電池はリチウムイオン電池を使用しています。
D. よけいな機能は使わない
電池やバッテリーを長持ちさせるには、できるだけ余計な機能を使わないことが一番です。グリーンオンではむやみに音声ナビを鳴らしたり、バックライトを点けたりしますと電池を消費する大きな要因になります。
E. 長時間放置しない
Bでも説明したように、何もしない状態であってもバッテリーの放電は行われています。そのため、長時間放置すると蓄えた ※3電力を使い切ってしまう過放電の状態になってしまうことがあります。よって、機器を使わない場合でも1ヶ月に1度は充電するのが良いと言えます。その際の充電量は7割程度が望ましいです。
※3. 特にリチウムイオンバッテリーの場合、通常は過充電・過放電を防ぐ回路が組み込まれていますが、仮に過放電になってしまうと2度と充電できなくなってしまうので注意が必要です。
F. 電極をきれいに保つ
電極が汚れた状態でバッテリーを充電すると、充電器が充電を止めるタイミングを測り損ねてしまうことがあります。特に急激な温度変化で生じる結露による電極の錆には注意しましょう。
少々長くなってしまいましたが、上記の点に注意してご利用いただけば、電池の劣化が少なくご利用いただけるかと思います。是非参考にしてみてください。
詳しくは、よくある質問の「Q 電池の劣化を防ぐ方法はありますか?」をご覧ください。