4月12日、第三回の電王戦の勝敗が決しました。電王戦とはプロ棋士とコンピュータによる全五局の団体戦、1勝4敗でまたもや人間が敗れるという結果となりました。
コンピュータは急速に力を付けてきており、遂に有力プロ棋士に勝ち越すまで強くなっています。今後も、コンピュータはソフトウェアの改良とハードウェアの性能向上により更に強くなっていくと思われます。
チェスにおける史上最強の人間チェスプレーヤー、ガルリ・カスパロフとスーパーコンピュータ、ディープ・ブルーの対決のようにコンピュータが将棋界の第一人者に勝つ時がくるかもしれません。
何せコンピュータは何時間考えても疲れを知りませんし、局面は終盤に行くほど限られた方向に進んでいきますから。(今や、詰将棋はコンピュータの方が強いかもしれません)
と言っても、プログラムを作るのは人間ですし、プロ棋士の思考パターンをプログラムに組み込んでいかないと強くはならないようですが…。このようなハイレベルの話ではなく、私がコンピュータと勝負するときは、相手を最弱の設定にして、かつ必殺の“待った”をフル活用しています(笑)。
最後にトータルの勝ち数ではコンピュータに勝ち越しているチェッカー(※)の元世界チャンピオンであったマリオン・ティンズリーの言葉をあげておきましょう。
“私は勝てる。ソフト のプログラマーは人間だが、私のプログラマーは神だから。”
なかなか、意味深な言葉だと思います。
※ チェッカーとは赤と黒の駒とチェス盤を使ったゲーム。コンピュータにより完全解析がされ、互いが最善手を続けた場合、引き分けとなることが証明された。
(参考文献:宮内 悠介 著 『盤上の夜』)