言葉の勘違いで恥ずかしい思いをしたことはありますか。
当たり前のことかもしれませんが、自分の知っている言葉の中で勝手に理解してしまうのが原因のようです。
何十年も前、大学を出て間もなく仕事でアメリカの会社に駐在していた時の話です。同僚の女性が週末にバーゲンに行こうと誘ってくれました。買い物は嫌いではないので行くことにしましたが、彼女は手袋を忘れないようにと私に言いました。冬のフィラデルフィアはとても寒いので外出するときに手袋は当たり前なのに・・・・・。
約束の週末の朝、他の仲間と車で迎えに来てくれました。車は郊外の町からどんどん郊外に向かって行きました。車社会のアメリカでは、郊外にユニークなショッピングモールがありますから特に不思議には思いませんでした。
しかし、着いた場所は雪で覆われた小高い丘でした。そこには、大きめの“そり”がありました。その“そり”は、英語で“toboggan”と言います。
私の耳には“go to bargain”と聞こえましたが、彼女は“go toboggan”と言ったのでした。
その当時、“toboggan”という単語を私は知りませんでした。
無知が原因の恥ずかしい思い違いとして、私には忘れられない思い出です。
言葉に限らす、知識や経験が乏しいとき、考えの視野が狭いとき、同じような誤解をすることがあります。一番の問題は、本人がその誤解を自覚していないことです。
末永
