山手線に踏切があったの?

2022年6月29日 カテゴリー:よもやまばなし

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「山手線に踏切がある」というはなしを聞いたのは、ちょっと前のことです。私は昨年、東京都の北区に引っ越したのですが、区役所で貰ったPR誌にそんな記事が載っていたのです。

驚きました。私は「あの山手線に踏切なんて残っているはずがない」と思っていました。私は80年代に西武池袋線を池袋まで乗っていたので池袋駅と目白駅の間にあった「長崎道踏切」は知っていました。2005年にこれがなくなった時、「ああ、これでゼロになった」と思いました。

私は間違っていました。令和になっても残っていたのです。しかも、私の新しい住まいから徒歩圏内で。

先日、仕事の後に、「第二中里踏切」へ行ってきました。

田端駅と駒込駅の間にあります。最寄駅は駒込駅で、そこから数分歩けば着きます。

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こんな看板がかかっていました。ひどい時は言葉通りの「開かずの踏切」になるそうです。

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駒込駅の繁華街からは離れていて、車や歩行者は多くありませんでした。使用者は1日500人とのことです。

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実際に行って直感的にわかったのは、「この踏切がなくなっても、そう惜しまれることはないだろう」ということです。

第二中里踏切は、近くに架けられる新しい橋が2029年に完成すると廃止されます。

実は私、「第二中里踏切が廃止されるのはけしからん」という主旨の文を書くつもりでした。

私は、銀座中銀ビルが取り壊されるというニュースを聞いた時、わざわざ見にいきました。私は、古いものや建物が大好きなのです。こういうものは一度失われると、二度と再現されないからです。

第二中里踏切もなくなったら再現されませんが、危険がともなう「開かずの踏切」の再現を求める人はいません。また、現地に行くまでわからなかったのですが、あの踏切がなくなっても、街の風情がかわるほどの影響はないはずです。

かつては近くに第一中里踏切があったそうですが、これと同じようにあっさりとなくなり、鉄道ファン以外の人の記憶から消えるでしょう。

古いものは大切にしたいですが、残念ながら、全ての素晴らしいものを残すわけにはいきません。本当に大切なものが何なのかを見抜いて残すのは簡単なことではありませんが、重要ですーーなぜなら、人間は過去の資産の上でしか新しいものを作れないのですから。

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